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用語説明
【ウォータヒータ】
エンジン補機。エンジンを暖めておくための余熱ヒータ。
エンジン本体を冷却するため、冷却水(ジャケットウォータ)を暖めてることで、始動性を良くします。
温度センサと組み合わせ、一定温度を保つようにオン/オフ制御するのが一般的です。
センサが故障すると、空焚きされるため、最悪の場合、エンジン本体のオイル経路(オイルギャラリ)に水が混入し、エンジン損傷に繋がる事もあります。
【AVR (エーブイアール)】
自動電圧調整器。Automatic Voltage Regulaterの略。
発電電圧を制御する装置で、主に中型・大型のエンジン発電機に搭載されています。
非常用発電機の場合は、電圧を常に一定に保つ様に制御します。
複数台の発電機を並列して使用する場合や系統と連系して使用する場合は、電圧を制御する事で発電機間の横流や力率を制御します。
系統連系の場合、AVRが故障すると、進み力率になります。
【オーバホール】
分解整備。整備度合いに応じてトップ・フル・セミに分かれます。
点検はオーバホールという言葉は使わないため、弊社では、点検や修理とは区別して使います。
●トップオーバホール
  上部開放点検。上部とは文字通りエンジンの上部であるシリンダヘッドを開放して、シリンダライナ・ピストン上面の点検を行います。
  オーバホールの中では一番軽い整備です。
●フルオーバホール
  総分解整備。クランクシャフトを含む全部品を取り外し、エンジンをバラバラに分解する整備です。
  ターボチャージャ・エアクーラ・ウォータポンプ等の補機も整備または交換します。
●セミオーバホール
  トップとフルの中間に位置する整備です。
  予算と状況に応じて費用と整備箇所が大きく変ります。
【ガバナ】
調速器。エンジンの回転速度を制御する装置。
用途に応じてアイソクロナス特性とドループ特性(垂下特性)に分かれます。
非常用発電機等は、アイソクロナス特性により、負荷の大きさに関わらず回転数を常に一定に保つ様に制御します。
小型エンジンや非常用発電機に用いられているメカニカルガバナはアイソクロナス特性です。
複数台の発電機を並列して使用する場合や系統と連系して使用する場合は、ドループ特性により負荷を分担します。
発電機の場合、出力kWに対して目標とする周波数を変えるkWドループが用いられており、定格周波数に対する垂下分をドループ率と言います。
ドループ率が少ない場合は、100%まで負荷がかけられません。
【キャビテーション】
流れている水の中で圧力が急激に下がる事で極小気泡が発生し、気泡が破裂する際に爆発衝撃を生じる事。
エンジンの場合、冷却水が流れるシリンダブロック内部で発生する事が多く、シリンダライナやウォータポンプ等はキャビテーションによりクラックが発生、長期的に破損します。
指の関節を強く曲げると『ポキッ』と鳴るのもキャビテーションです。
水道水を使ってエンジンを冷却する方式の場合、キャビテーションが発生しやすいため、定期的な点検やライナの交換が必要になってきます。
クーラントは文字通り凍結を防ぐと同時にキャビテーション抑制効果があるため、クーラントを使用するラジエータ方式ではさほど問題はありませんが、クーラントが規定濃度以上である事が前提条件です。
【コンプレッション】
圧縮圧力。
燃焼室内部で空気がどれほど圧縮されるかの度合いを示します。
ディーゼルエンジンの場合、スパークプラグ等で火花をとばす点火方式ではなく、圧縮される事によって高温となった空気に燃料を噴射して自然着火させます。
そのため、コンプレッションが低い場合は、空気が高温にならず、始動性が低下します。
コンプレッションが高い場合には、ノッキング等の異常燃焼が発生します。
【kW (キロワット)】、【kVA (ケーブイエー)】
発電機や負荷の電力容量を示す単位。
kWは有効電力。kW=1000×W。
kVAは皮相電力。kW=1000×VA。
発電機などの仕様に記載されている容量(定格容量)はkVAですが、パソコンやモータ等に記載されている容量はkWです。
『発電機の容量が3kVAだから、3kWのモータ機械は使えますか?』と聞かれますが、kVAは使う事ができない電気(無効電力と言います)が含まれているため、発電機を選定する場合は、使う機器の容量(kW)よりも大きい容量の発電機を選定してください。
モータ等であれば発電機の定格容量(kVA)に0.7から0.8を掛けたものが目安になります。
実際にはモータの性能や始動時に流れる大電流(突入電流)を考慮しなければなりません。
【系統連系 (けいとうれんけい)】
発電機の給電方式。商用電力(売電もしくは受電)と並列して負荷に給電する方式。
非常用発電に対して常用発電とも言います。
コジェネ設備に見られる方式ですが、発電機から給電する事により、売電を低く抑える事ができます。
商用電力と電気的に繋がるため、同期検定器(シンクロナイザ)により電圧・周波数・位相差をあわせて
遮断器を投入する同期投入が必要になります。
また、商用電力を保護するための受電保護継電器を設置する必要もあります。
系統連『携』と表記されているのを見かけますが、正しくは系統連『系』です。
【潤滑油プライミングポンプ】
エンジン補機のひとつで始動補助装置。強制的にエンジン内部に潤滑油を循環させるためのポンプ。
非常用発電設備に使われるエンジンの場合、長期間停止しているため、エンジン内部の潤滑油がオイルパンに落下します。
この状態でエンジンが始動すると、ピストン等は一時的にオイル皮膜が切れた状態になるため、エンジンに悪影響を及ぼします。
このため、6時間に5分毎等、一定の間隔でポンプを動かして、オイルを循環させておきます。
昔のエンジンや常用エンジンには装備されていない事があります。
【シリンダヘッド】
エンジン部品の一つ。燃焼室にフタをするためエンジン上部(トップ)に取り付けられる部品。
そのため、シリンダヘッドを取り外す整備はトップオーバホール(上部開放点検)と呼ばれます。
燃焼時の爆発圧力に耐えるため重く、専用の多層ラミネート構造のガスケット(ヘッドガスケット)と共に、高トルクにて締め付けます。
フタをする以外にも吸排気バルブ、バルブ駆動装置(バルブメカニズム)等が組み込まれている上に、冷却水と潤滑油の通路が内部に形成されているため、組み立てる際に最も注意する箇所の一つです。
【シリンダライナ】
エンジン部品の一つ。ピストン外側の燃焼室を形成する筒状部品。
ピストンが高速で動くため内部は鏡面研磨されています。
正確に言えば、ピストンリングが摺動しながら、燃焼室とオイル室を隔離しています。
水道水でエンジンを冷却する方式の場合、キャビテーション・エロージョンにて腐食・損傷するため、定期的な点検をお勧めしています。
【絶縁抵抗 (ぜつえんていこう)】
機器の絶縁度合いを示す指標。単位はMΩ[メグオーム]。
計測機器(絶縁抵抗計)がメガーと呼ばれる事から、絶縁抵抗そのものをメガーと言う事も多い様です。
発電機・モータなど電気機器や回路の絶縁状態を点検する際に測定します。
定格電圧(使用電圧)に応じて、125V〜1000Vまで測定電圧(印加電圧)が異なります。
絶縁抵抗値が小さいほど、機器の絶縁状態が低下している事を表し、絶縁低下が進行すると地絡(漏電)し、漏電遮断器が動作します。
発電機はもちろん、エンジン本体にも補機が付いているため、特にウォータヒータといった常に水没している機器では、絶縁抵抗の計測が重要になります。